2008年08月06日
付け下げ
「付け下げ」とは訪問着を簡略化したキモノで、袖の前後、
身頃の前後の模様が肩山に向かって一方付けされている
キモノ(柄が逆さまでないこと)。
訪問着に比べて模様が少ないので、やや華やかさにかけますが
結婚式からお茶会、パーティーなど着て行ける場所は訪問着と
ほとんど変わらず、訪問着ほど改まらないのが付け下げの着やすさ。
準礼装に近いキモノとされている。
違いがわかりにくいが、仕立てる前の状態を見ると一目瞭然。
訪問着が絵羽状態(仮絵羽)なのに対し、付け下げは反物。
白生地を染めるときに、あらかじめ袖や身頃の位置を決めて
墨で印をを付け、効果的に配置してあるから仕立て上げると
訪問着のように見える。
一反の反物を下記のように前後身頃、袖、おくみ、衿等決めて
染め、図柄を置いていく(わかりにくい写真ですみません)。
付け下げならではの良さは、手描き友禅なら控えめで模様が少なく
あっさりしているところ。模様は少なくても、図案に深い意味が込められた
ものも。
訪問着代わりにするなら紋をつけてもよいような古典文様など
品格のあるもを選ぶ。
またあっさりとしたものだけではなく、訪問着のような華やかな柄付けの
「付け下げ訪問着」まで種類も豊富。
上半身に柄が少ないので、お茶席にも向く。
お茶席では調和、つまり装いの全体を重んじ、席に溶け込むような
柔らかい雰囲気、風情のある装いが必要。適当に少なめでありながら、
計算され尽くした位置にある模様の確かさ・・・。
本来の付け下げの控えめな気持ちこそ、お茶席に向くキモノでは
ないかと思う。
Posted by RIKO2008 at 09:54
│晴れ着